シドーブログ

祖父の葬儀 その3

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火葬場での収骨。
焼かれて真っ白になったお骨がでてくると、祖母は「こんなになって」とまた悲しんだ。
父は「ハハ」と笑った。なぜかオレも笑った。もう笑っていいような気がした。
職員の方が「こちらが足の骨になります。」「こちらが大腿骨になります」と飲食店にありがちな妙な未来形で教えながら骨壷へ入れるよう促してくる。
「こちらが骨盤になります。一番左の白醤油でお召し上がりください。」串かつ屋を連想した。
ここからは仕事柄、いろんな骨を見たくなり骨盤のつなぎ目や膝関節、肩甲骨や肋骨の質感や頭蓋などいろいろな部位をさがし観察し崩した。このころになると誰もが「は~」とか「ほ~~」とか言いながら骨を箸でつついている。もう涙はない。
最後の父のスピーチもすばらしく葬儀は終了した。
葬儀はグラデーションになっている。ぐわっと感情を高めておいて徐々にクールダウンしていく。その過程で、死を受け入れ故人を偲ぶ。そして数日関わることで心身ともにくたくたになり、それぞれの日常・地域社会に戻っていく。
血縁・地域社会・組織をあらためて深く意識し考える良い機会になった。いまだ父とやり残したことはたくさんあるような気もする。喪主である父から多くを学ぼうとこの日はなるべく一緒にいた。
帰り、骨壷を片手で小脇に抱えて「オヤジを片手で持てるようになった」とブラックかましていた。

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