肩の筋肉
肩こりの原因でもっとも多いのは筋肉の疲労です。
じっと同じ姿勢で作業(デスクワークなど)をつづけいると筋肉の緊張状態が続き、血管は収縮し筋肉内の酸素不足が起こり、疲労物質が蓄積されてゆきます。
放置すると筋肉は損傷し炎症反応を起こし、日々繰り返すことで慢性化してしまいます。
←肩や背中のこりやすい筋肉です。
特に僧帽筋(上部)や肩甲挙筋につらさを感じます。
これらの筋肉は背骨(頚椎、胸椎)から肩甲骨にくっついています。
それゆえに肩甲骨の位置によってはこの筋肉が引き伸ばされたり、短くなったりします。
背中が丸まっている、不良姿勢、長時間のデスクワーク
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肩甲骨は外側へ広がる
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筋肉は持続的に引き伸ばされ緊張する
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筋肉が疲労する
「肩こりは二足歩行の宿命」ってどういうこと?
「人類は進化の過程で二足歩行になったため、肩こりは宿命である」ということがよく言われます。
両腕をだらんとぶら下げた格好になっているから?そのとおりです。
ただし、ここでも解剖学的なお話をしておきます。
皆さんは人の全身のがいこつ(骨格)の絵を描けますか?
実際に描いてみると、「あれ、腕ってどうやってどこについてるんやろ」と疑問に思ったりもします。
腕は胴体とどのようにくっついているのでしょう。
肩こりの方にはとても不利な肩関節の構造
腕は胴体とどのようにくっついているか。こたえは、、、
うでは上肢帯(肩甲骨と鎖骨)を介して体幹とひとつになります
この上肢帯が体幹側と骨同士でしっかり関節としてつながっている部分はたったの一箇所、しかもほんの1~2cm四方の胸鎖関節(胸骨と鎖骨の関節)だけです。
これは、肩関節の動きの自由度を確保する為に必要です。
あとは肩甲骨に付着している筋肉で重い腕はぶら下がっています。
常に働かされる筋肉
「じっとしている」「じっと座っている」というのはただじっとしているのではなく、”じっとしている”という運動を筋肉が続けているのです。
求心性収縮 | 筋肉を短く収縮させるうごき。例:ものを引き寄せるときの上腕二頭筋 |
等尺性収縮 | 収縮中、筋肉の長さは変わらない。腕を90°前へ挙げているときの三角筋(肩の筋肉) |
遠心性収縮 | 筋肉の力を抜いていくときの収縮。例:コップを置くときの上腕二頭筋 |
このなかで、じっとしているという動作は等尺性収縮にあたります。そしてそのときの筋肉への負荷(力学的ストレス)はそのときの筋肉の長さ、形、関節や骨の位置により大きく変わります。
「不良姿勢」や「高さのバランスの悪い机とイス」などの要因が筋肉への負担を増やします。そして日々の悪い姿勢に慣れることで、骨格そのものがその形に歪んでしまいます。猫背がそのひとつです。
肩の筋肉を固くしてみる
、、、と言われると、皆さんはグッと肩の筋肉に力を入れることでしょう。その筋肉は盛り上がって固くなります。これを筋の収縮といいます。その状態が筋肉の緊張状態であり、これを持続させると筋肉は疲労します。
固くする方法はもうひとつあります。
筋肉の伸張です。片方の肩を下げ、首を反対方向へ倒すと首から肩にかけての筋肉がピーンと張って固くなります。
これも筋肉の緊張状態です。他動的に伸ばされたときに起こります。これも持続させると筋肉は疲労します。しかも収縮の時よりも血管は伸ばされ細くなり、血流が低下します。
この2つの条件を同時に満たしてしまうと、、、
筋肉の過緊張という状態が起こってしまいます。筋肉は伸ばされた状態のまま、収縮を余儀無くされます。
人間の腕・肩・首は構造上この状態を引き起こしやすいという欠点があります。