壁立ち姿勢矯正がウソだらけでダメな理由①
からの続きです。
本来、常に最小エネルギーでありたいカラダ。
いずれにせよ「立てている」ということは
重力下において前後左右のバランスを相殺できているということです。
その相殺の仕方が問題です。
構造で立つこと。
チカラを使わずに立てる事。
重心を揃えて支持組織や圧で身体を安定させる。
使う筋力は微細な調整のみ。
これがただ立つことです。
実際に壁立ちを見てみます。
外枠しか見えない人にはバックラインが真っ直ぐ揃っているので
「綺麗な姿勢じゃん!ガーー!」となります。
問題は各パーツの重心です。
中身を見ること。
比較的動きの少ない頭蓋・胸郭・腹部・骨盤・膝・足部の『重心』が
どこに位置しているかが重要です。
壁立ちをするとヒップのボリュームもあり、
骨盤と腹部はかなり前に突き出してますよね。
赤矢印に表すように前方へ倒れようとするかなり大きな力が発生します。
そのままでは倒れるので後ろへ倒れる力を発生させなければなりません。
このH氏の場合は腰椎と胸椎を反らすことで胸郭を目一杯後ろへ移動させています。
めちゃくちゃ苦しそう。
この苦しそうなのはどこから来るのか?
頭蓋と胸郭から後ろに出ている矢印、小さいですよね。
力学的に後ろへ発生させたトルクでは相殺するのに足りない!!!
そこで、背中の筋肉を異常に稼働させて耐えているんです。
H氏がんばれ!
胸郭は後傾し浮いて横隔膜も動きも緩慢になるので呼吸も辛そうだね。
つまり、バックラインをまっすぐに揃えるということは何の意味もない
どころか体を壊すことなんですよ。
良い姿勢だと思い込み、壁立ちを推奨するようなプロがいなくなりますように。
機能の先にある美しさでなければならない。
体の中を診るための姿勢分析Body analysis(Bodyアナリシス)。
これはほんの始めの基本の基本です。
姿勢のみを見るのではなく、あらゆる身体の壊れ方を理解することで治す糸口が一瞬で見えるようになるところまで引き上げるのが目的です。
Body analysis は「このように立ちましょう」という
コーチングのメソッドではありません。
身体を解析ししかるべきアプローチをした結果、
本来の機能を取り戻し美しく立てるというプログラムです。
現在、うちの勉強会でもシェアしていく中で優秀な治療家たちが成果を上げ始めています。
多くの方の助けとなりますように。