サーフィン中になぜか鮮明に蘇った記憶。やはり母なる海なのね。
小学一年の頃、祖母にクーピーペンシルを買ってもらった。
素材全てが芯でできたクレヨンのような色鉛筆。
ずっと欲しくて、大好きな祖母からということもあり大喜びし眺めていた。
翌日学校へ持って行ったクーピーをクラスの友人たちが目ざとく見つけた。
そこで想像もしていないことが起こった。
友人たちはその艶やかなクーピーを手に取り、曲げたり折ったりし始めたのだ。
ガキどもにとっては確かにポキポキしたくなるものかもしれない。
普段のシドー少年なら「ゴルァーやめろや」とキレてシバいただろう。
ところがその時はキレるどころがポロポロ涙がこぼれた。
ただ涙がこぼれ続けるだけだった。
自分でも感じたことのない不思議な感情だった。
深く傷ついていた。
一番の想いは、
「おばあちゃんごめんなさい。。」
だった。
小学一年生のシドー少年にこのクーピー事件は深く刻み込まれる。
人の大切にしているものに敬意を払うこと。
傷つくポイントはヒトには理解できないようなことかもしれないこと。
27才の頃、治療院では部下がたくさんいた。
ある時、後輩が新患さんの症状に対して「あ〜そんなことですか」
と抜かしてその方を泣かしてしまった。
俺は終業後バックヤードでモーレツに怒った。
人の大切にしているものに敬意を払うこと。
傷つくポイントはヒトには理解できないようなことかもしれないこと。
それを感じるために必要なのは想像力で知識やテクニックじゃないねんと。
先日、大阪で勉強会があるらしく遠くから治療家の女性が私に会いにきてくれた。
施術後にコーヒーを飲みながら色々喋り、スッキリした顔でホテルへ帰って行った。
翌日の勉強会で男の先生に「主婦が家を空けて大丈夫なの?」と会話の流れで言われたらしいが、私との前日の会話から後ろめたくもならずサラッと聞き流せたらしい。
人の大切にしているものに敬意を払うこと。
傷つくポイントはヒトには理解できないようなことかもしれないこと。
想像力を持ってすれば強くもなれること。
余談だが、息子が小学一年の頃にクーピーを買ってやった。
学校から帰ってきたら全てバッキバキに折れていた。
「誰にやられてん!!!」
と聞いたら
自分で折ったら面白かったから友達たちにもやらしてあげてんゲラゲラ、と。
そう、人それぞれなのだ。